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news| October 1, 2007



イオスのあつかう美術資料をテーマにしたレクチャーシリーズ。
第一回は林道郎氏を招いて「境界線上の美術 セス・ジーゲローブと編集の政治学《と題するレクチャーを開催しました。



・ イオス・アートブックス レクチャー #1

「境界線上の美術 セス・ジーゲローブと編集の政治学《
 講師:林道郎氏(上智大学比較文化学部教授)
 日時:2007年 9月12日(水)19:00?21:00

 1960年代末のNYで活動したギャラリスト、セス・ジーゲローブ(Seth Siegelaub, b.1942)は、ミニマリズムやコンセプチュアル・アートの動向を語る上で欠かせない存在である。彼の活動の面白さは、作品を流通させる手段として、ギャラリーでの展覧会以上に出版物という形態を戦略的に利用したことにある。たとえば68年の「ゼロックス・ブック《では、カール・アンドレ、ロバート・モリス、ダグラス・ヒューブラーなどの作家にそれぞれ25ページずつ与え、「ゼロックス機を用いること《を唯一の制約として自由に作品を発表させた。彼はいわば紙面上で展覧会を開いたのであり、その試みは、コピーという手軽かつ安価な手段を用いれ ば一度に多くの観客に作品をとどけうるという可能性を示すことによって、資本主義社会におけるアートの位置づけを問い直す意図を持っていた。この問いは、70年までに出版される数冊の書物において、さまざまな形で展開されることになる。その現物を実際に見ながら、これまであまり紹介されることのなかったジーゲローブの活動を、林道郎氏のレクチャーを手がかりに考えていきたい。
(レクチャー案内より転載)